もずくのぬめりは、フコイダンという硫酸化多糖類によるものです。このぬめりが、ヘアケアにおいてどのような役割を果たすのか。Kelp Whisper Groveのもずくヘアオイルを開発する過程で学んだことを、正直に書きます。

フコイダンが頭皮に働く仕組み

フコイダンは水分を引き寄せる性質(吸湿性)を持ちます。頭皮に塗布すると、空気中の水分を引き寄せて頭皮表面の水分量を維持する働きが期待されます。ただし、これはあくまで保湿補助の作用であり、頭皮の根本的な状態を変えるものではありません。継続的な使用が前提です。

合成シリコン不使用の処方設計

市販のヘアオイルの多くは、合成シリコン(ジメチコン等)を使って指通りをなめらかにしています。シリコンは即効性がありますが、頭皮に蓄積しやすい性質があります。Kelp Whisper Groveのヘアオイルは、フコイダン水溶液と椿油の組み合わせのみで指通りを出しています。開発に半年かかったのは、この組み合わせの比率を見つけることに時間がかかったからです。

椿油を選んだ理由

土台に椿油を選んだのは、酸化安定性が高く、防腐剤なしでも品質を保ちやすいためです。椿油はオレイン酸を多く含む油で、日本では古くから髪のお手入れに使われてきました。肌や髪へのなじみがよく、薄く伸びてべたつきが残りにくい。Kelp Whisper Groveでは、長崎県五島列島産の椿油を使っています。少量生産なので、信頼できる生産者から分けてもらえる範囲で、いまのところ十分にまかなえています。

2026年2月の処方変更について

2026年2月仕込み分から、フコイダン水溶液と椿油の比率を2:1から1.8:1に微調整しました。冬場に「なじみにくい」というご意見をいただいたことへの対応です。変更は最小限にとどめ、香りと成分構成は変えていません。処方変更は、できる限りしたくないと思っています。

もずくヘアオイル No.4 の使い方

もずくヘアオイル No.4 が形になったのは、昆布洗顔料を出してから二年ほど経った2021年の秋でした。きっかけは些細なことで、もずくを低温で抽出したあとの液が指に残ると、乾いた手の甲が少ししっとりするのに気づいたことです。沖縄産もずくのぬめりに含まれるフコイダンは水となじみやすく、髪の表面にごく薄く残ってくれる。この性質を、椿油を土台にして毛先に活かせないかと考えたのが、開発の出発点でした。

使い方は、できるだけ簡単にしたいと思っています。一、二滴を手のひらに伸ばし、乾きやすい毛先を中心になじませてください。頭皮にべったりつけるための油ではありませんし、量を増やせば手触りが良くなるというものでもありません。つけすぎると、かえって重くなります。目に見えて髪質が変わるようなものを期待されると、正直、肩透かしに感じられるかもしれません。私自身は、夕方になると広がりやすい毛先に、朝のひと手間として使っています。効能というより、身支度の習慣に近いものだと思っています。

もずくヘアオイルは、劇的な変化を約束するものではありません。毎日少量を使い続けることで、髪のまとまりが少しずつ変わっていく。そういう製品です。詳しくは製品ページをご覧ください。